渡辺三冠が今年に入ってからの対局成績

1月 5勝4敗
2月 4勝4敗(4連敗有り)
3月 2勝1敗

12月までは勝率8割超えの渡辺三冠ですが、1月に入ってから過密スケジュールの影響もあるのか、勝率を大きく落としています。名人挑戦は決めたものの、王将戦では先に̚カド番を迎え、叡王戦の3番勝負は敗れて、棋王戦は2勝1敗という状況です。

渡辺棋王は作戦巧者で序盤から相手の呼吸を外して、自分の得意な展開に持ち込むのが上手いです。AIの影響で序盤の研究が大きく進歩する中で、序盤からリードを奪えるのは凄いと思います。

ただ、棋王戦は棋戦初参加にして史上初となるタイトル初挑戦を決めた本田五段。第2局では本田五段が得意とする相掛かりを受けて立つなど、棋王戦に関しては真っ向勝負で力でねじ伏せようとしていたと思います。

本局、渡辺三冠はどうしても勝ちたかったと思います。私の勝手な想像ですが、3月は大一番の王将戦第7局を控え、4月からは名人戦も始まります。3月20日には竜王戦1組5位決定戦も組まれており、本局に敗れると3月30日に棋王戦第5局まで組まれることになります。作戦巧者の渡辺三冠はしっかり研究して対局に臨めば高勝率を上げていますので、この後の王将戦・名人戦の事を考えても棋王戦は今日の第4局で防衛を決めたかったはずです。

タイトルは釣り過ぎましたが(笑)、私は4手目で渡辺棋王がたぶん勝つだろうとは思いました。

棋王戦4局


4手目△4四歩は後手番で渡辺三冠がここ一番で見せる作戦です。本田五段が得意とする相掛かりを受けないとともに、4手目にして自分の土俵に引きずり込みました。

本田五段も予想していた戦型だったようで、面白い序盤の構想を見せてくれましたが、やはり渡辺三冠の経験値が勝ったようです。時間の使い方を見ても、渡辺三冠には余裕があったように思います。中盤に端攻めでリードを奪った渡辺三冠が危なげなく勝利しました。

思えば、羽生九段も基本的には相手が最も得意とする戦法を受けて立ってねじ伏せて勝つスタイルでしたが(特に若い棋士に対しては。)ここぞという一番では相手の呼吸を外すような時もありました。勝負に徹した時の渡辺棋王はやはり恐ろしいなと思います。

これで3月25日の王将戦第7局に全集中の呼吸で挑めるでしょう。間に入ってくる竜王戦1組5位決定戦は渡辺三冠の合理的な性格からすると、少なくとも研究手順はぶつけてこないでしょう。竜王戦は1組でも2組でもタイトル挑戦まで勝ち上がる確率はそこまで変わりませんからね。

渡辺三冠の魅力は勝負に徹する合理的なところだと思っています。
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